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部長1ba_e.png

【sample scenario】


県立秋涼高校と書かれた少し古びた正門を

潜り、昇降口で靴を履きかえるとそのまま

階段を二階ほど上がる。

そのまま廊下の奥へ進んでいった先に、私が所属している読書部の部室がある。

ガラと音を立てながら部室の中に入ると、

外との温度差に片腕が震えた。同時に私は

部室の中を見て――

"そこ"に人がいたことに一瞬驚いたけれど…私はすぐに口を開いた。
【 日本 】

「…部長、おはようございます」

静かな教室の黒板の前で…読書部部長、

前垣志信先輩がチョークを走らせていた。

私の声に気付いたのか、部長はチョークを

置くと私のほうに顔を向けてきた。

【 前垣 】

「ああ日本、おはよう」

慶介1

【sample scenario】

 

彼はそう言って再び入ってきた扉を潜ろうとしたけれど……急に扉の前で振り返ると、

つかつかと私の近くまで戻ってきた。

私の机前に来るとしゃがみ込んでこちらを

見てくる。…視界の端で、赤茶色でまとめたお団子が見えた。

【 四楓院 】

「日本先輩」

【 日本 】

「四楓院くん…?」

【 四楓院 】

「こんちわ」

【 日本 】

「…こんにちは」

【 日本 】

「………どうかしたの?」

【 四楓院 】

「いやー…先輩、御波先輩の連絡先知ってないかなーって」

里留1

【sample scenario】

 

【 里留 】

「………さっきは、ごめん」

巻き終えたマフラーの端を握りながら謝ってきたその意味が分からなくて、私は聞き返した。

【 日本 】

「え……」

【 里留 】

「…お父さんのこと。…知らなかったとは

いえちょっと言い過ぎた」

【 日本 】

「……………」

【 里留 】

「……あのさ、正直俺は日本さんが何を考えてるのか分からないし、また君を傷つけるようなことを言うと思う」

【 里留 】

「だから―――そのときは今みたいに話してほしい」

【 日本 】

「え…?」

【 里留 】

「…日本さんって、人と一緒にいると距離

置いちゃうタイプだよね」

【 日本 】

「…………」

【 里留 】

「それに関しては俺もあまり人のこと言えないけどさ……。でもこうして話してるとき

くらいは遠慮しないで欲しいっていうか…」

【 里留 】

「さっきも言われたけど……君を早く家に

送り届けたいって言ったのも面倒だからだって、本当は少し思ってたよ」

※背景にみにくる様の素材を使用しています。

馴鹿1

【sample scenario】

 

突然着ぐるみさんが立ち上がると私の前まで来て両手を握った。

驚いて顔を上げると目の前に着ぐるみの、

トナカイの大きな顔があった。

【 着ぐるみ 】

「……分かった、君はその考えを曲げるつもりはないんだな」

【 日本 】

「…………」

【 着ぐるみ 】

「なら俺は今回の件が終わるまで君を守る」

【 日本 】

「……え……」

【 着ぐるみ 】

「さっきも言ったが君は無事でいないといけない。そうじゃないと御波の姉が悲しむからな」

【 日本 】

「あ……あの………」

【 着ぐるみ 】

「それにこの先もし何かあったら確実に君は輪違先輩の足手纏いになるな」

【 着ぐるみ 】

「……さっきは簡単に自分が囮になれると

言っていたが、君はそうやって誰かの身を守る術なんて知っていないだろう。…違うか」

 

 

※背景に背景専門店みにくる様の素材を使用しています。

咲良1

【sample scenario】

 

【 ??? 】

「…そこ、違う」

【 日本 】

「…………」

 

視線を声のほうに向けるとそこには綺麗な

顔立ちをした少年が座っていた。

彼は私がこの特別学級に入るようになったときから先生に言いつけられて一緒にいる

同級生だ。

私が何も言えずにそのまま見つめているのを他所に彼は言葉を続ける。……これ以上聞くと先生から違反だと言われるかもしれないのに。

そう思いながらも彼の優しい教えを無視することが出来ない。

 

【 ??? 】

「難しいなら七ずつ足していけばいいんだ。七×二は七+七。七×三は七+七の答えに

また七を足せばいい」

杏咲1

【sample scenario】

【 日本 】

(……私………どうして……ここはどこ…?)

【 ??? 】

「……………」

…考えているとどこかから溜息が聞こえてくる。そのことに肩を揺らしながら振り向くと、女の子が一人机の上に座っていた。

【 日本 】

「………………」

【 ??? 】

「………?」

彼女の様子を伺いながらなんて声を掛けようかと考えていると、先に気付いたのか彼女が視線をこちらへと向けた。

【 ??? 】

「………………」

けれど数秒もしないうちに彼女は再び元の

方向に視線を戻してしまった。

御波1

【sample scenario】


腕を捕まれた先輩が驚いたようにこちらを見るけれど、それに構うことなく私は続けた。
【 日本 】
「先輩、この質問にはちゃんと答えて欲しいんです」
【 日本 】
「先輩は部長に…軽蔑されたかったんですよね」
【 御波 】
「…っ………」
【 日本 】
「自分が悪い、って思い込んで……誰かに、その通りだよって言って欲しかったんじゃないですか?」
【 御波 】
「…………」
【 日本 】
「…でも部長は"敏い人"だから、多分気付いていてもそうはしなかったんだと思います」
【 日本 】
「それがどういうことか……先輩も知ってますよね」
【 御波 】
「………っ…」
【 御波 】
「…な……で……なこと小恵子ちゃんに言われなきゃなんないの……?」
【 日本 】
「………」
【 御波 】
「なんで!前垣くんと小恵子ちゃんは、ずっとそんな風に分かり合ってるの!?私の目の前で…っ!」
【 御波 】
「分かるわけないじゃない!私は…っ貴方達みたいに何でも分かるわけじゃないのに!

御波2

【sample scenario】

 

【 男の声 】
「づぅっ……!?」

前髪がふわりと風に浮かぶ感覚。強く捕まれた手が離れていくことで生じる腕の自由に私は目を開いた。

私の前に一人の青年が立っていた。

先を進んでいたときには人の姿は見えなかったけれど、走ってる間は動揺してそれどころじゃなかったから気付かなかったのかもしれない。

この人は先を曲がったところから来たんだろうか。改めて見るとさっき私の腕を掴んだと思しき人と、その横にもう一人いて、どちらも怖い目で私達を見ている。

………あのとき見たあの人の姿を思い出そうにも、記憶が薄れている所為で思い出せない。

そうしている内に目の前で不穏な会話が聞こえてきて、私は不安な気持ちのまま視線を

前に向けた。
【 男の人A 】
「んだよお前、そこどけよ」
【 ??? 】
「どうして退かないといけないのかな。

この子は俺の知り合いなんだけど」
【 男の人A 】
「その女に用があんだから後にしな」
【 ??? 】
「そうだね。君の言うとおり俺が離れたら

君らはこの子も酷い目に遭わせるよね」
【 男の人B 】
「だったらなんだよ」
【 ??? 】
「……聞こえなかった?俺はこの子"も"って言った」

 

杏咲2

【sample scenario】


私はそれ以上進めなかった。その場で固まって彼女と同じように彼女を見ていることしか出来なかった。
どうして、とか。聞きたいことはたくさんあるのに、それを許さない氷のような冷たい空気がそこにはあって、私は先輩の名前以外で口を開くことすら出来なかった。
…何分経ったのか分からない。それでもパトカーや救急車のサイレンの音ががこちらにも近付いてきて。ようやく私がここに立っていることに気付いた彼女は顔を上げて…不注意でも何でもなく、ただ口から零れる言葉を床に落とすように呟いた。

 

「……人って、簡単に人を殺せるのね」
「理由もなく一時的な感情で…いつも人は簡

単に死んでいって」
「そうして周りの人の人生さえも強引にねじ曲げようとするのよ」
「こんなに。呆気なく」
「………………」
「……私もいつかはこんな異臭を周りに漂わせて死ぬのかな」
「人間って、とても臭い生き物だったんだ」
「……臭い」

 

里留2

【sample scenario】

 

「いい加減にしてくれない?」
「っ………」
「さっき俺言ったよね付き合いきれないって。…それはあの人だけじゃない"君にも"付き合いきれないんだよ」
「…早くあの人のところに帰ってくれない。本当に邪魔なんだ」
「……………」
「あ……あの………なんで……ここにいたの…?」
「…………………」
「…やっぱり、誰か…待ってたんじゃ………っ!!」

言葉を続けようとすると目の前から強い音が響き、びくりと肩が揺れる。……一瞬何の音か分からなかったけれど、視線を落として私は理解した。

それは彼が昇降口の扉の前の壁を蹴った音だった。…さっきまで田中さんを見ていたその鋭い視線が、今私に向けられている。
「……ねえ…君は何が言いたいの?」
「何も言わないで勝手に逃げた癖に、今更そんなこと聞いてくる意味が分からないんだけど」

 

301

【sample scenario】


にゅるん。ぱく。もぐもぐしゃぽい。

「……何?」
「…好き、なんですね。その……」
「ええ」
「…………またそんなに買って……というかどこにそんだけ売ってあるの?」
「売ってある場所から全部買い占めたに決まってる」
待って今そこの店に入って30分くらいしか経ってないよね。あの店以外にも行ったのこの30分で
「行ってもらったの」
「…店員に?」
「店長に」
「…………………」

……301さんよりも数メートル後ろのほうで、汗だくの男性が「な、何年振りだこんなに走ったの…」と言い、店員さんらしき人がタオルを手にその人へ駆け寄ってる姿を見つけたけれど黙っておこうと思った。

※背景にみにくる様の素材を使用しています。

🎃

【sample scenario】


ぷにっ。

「…っ!!?」
「あ、なるほど。こうすれば気付いてくれるんだね」
「そうだよ。昨今の女子は恋愛漫画、ドラマ、小せ…つは読むかどうか分からないけど、飽きっぽいしスマホがあれば漫画もアニメもドラマも見放題な時代だし」
(???……これって、レモン飴?)
「そういうシーンを見過ぎてて耐性がついてるからちょっとやそっとの言葉じゃ女の子は動かないんだよ。だから男は少しくらいお茶目な引き出しを用意しないといけないの」

※背景にみにくる様の素材を使用しています。

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